海外FXを行ううえで必要になるのが、取引コストです。
海外FXには「スプレッド」をはじめ、さまざまな場面で必要になる手数料などの取引コストがかかります。
これらの仕組みや徴収タイミングを知らずに取引を行うと、せっかく得た利益も知らず知らずのうちに減ってしまうため、FX利用前に必ず把握しておきましょう。
今回は、FXで得た利益を最大限残すために、海外FXを利用するとどのような手数料や取引コストがかかるのか、そしてコストを抑えるための方法を詳しくご紹介します。
海外FXでかかる主な手数料・取引コスト5つ
海外FXを利用する前に知っておきたいのが、FXでどのような手数料や取引コストが必要になるかということです。
こうした手数料を知っていると知っていないとでは、取引を行った際に利益を最大限残せるかどうかが違ってきます。
国内外を問わずFXや取引所などのサービスを利用するとさまざまな手数料がかかりますが、そのなかでも海外FX利用時には次のような手数料が必要です。
【海外FXでかかる手数料・取引コスト】
スプレッド | 売りの価格と買いの価格の差額 |
取引手数料 | トレード1回ごとに請求される手数料 |
入出金手数料 | 海外FX口座の入出金にかかる手数料で、金額は入出金方法によって異なる |
口座維持手数料 | 一定期間口座の利用がないと、口座維持手数料がかかる場合がある |
スリッページ | 指定したレートと異なるレートで約定(取引成立)すること |
これらの手数料や取引コストがなぜ必要なのか、そして取引を行ったどのタイミングで徴収されるのかなど、1つずつ詳しく見てみましょう。
①売値と買値の価格差である「スプレッド」
まずは、FX取引において必ず知っておきたい「スプレッド」から見てみましょう。
FX取引をする際、通貨を売るときの値段となる「売値(Bid)」と、通貨を買うときの値段である「買値(Ask)」という2つの為替レート(値段)があります。
●為替レートとは 外国為替市場において、異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率のこと |
この売値(Bid)と買値(Ask)の価格差が「スプレッド」です。
スプレッドはトレーダーが負担する取引コストのひとつで、海外FX業者に支払われる手数料とも言えます。
たとえば、ニュースでよく耳にする為替レートで、「1ドル107円10銭~15銭」と表現されますが、これはインターバンク市場で1ドルを買う場合は107円15銭、売る場合には107円10銭という意味で、スプレッドがどれくらいあるかを示しています。
スプレッドが狭い(小さい)方が取引コストがかからず、トレーダーにとって有利になるため、スプレッドがあまりにも広い(大きい)FX業者は敬遠されがちです。
②トレードするたびにかかる「取引手数料」
海外FXにおける取引手数料とは、トレードをする1回ごとにかかる手数料のことを指します。
口座のタイプによって、取引手数料がかかる場合とかからない場合があります。
口座タイプによっては取引手数料が発生する
FXの注文方法は大きく分けて「DD方式」と「NDD方式」の2つがあります。
●DD方式とは FX業者がトレーダーとインターバンク市場の間に入る取引方法のこと |
●NDD方式とは トレーダーの注文を、直接インターバンク市場に流す取引方法のこと。 トレーダーとインターバンク市場の間にFX業者が入るものの、FX業者はあくまで仲介をするだけ |
基本的に、日本国内のFX業者はDD方式を、海外FX業者はNDD方式を採用していることが多くみられます。
また、後者であるNDD方式はさらに次の2種類に分けることもできます。
●NDD方式その①「ECN方式」 電子取引所に集まる注文を、システムで自動的にマッチングさせる仕組み |
●NDD方式その②「STP方式」 FX業者がトレーダーと金融機関からの注文をマッチングさせる仕組み |
次から、この2つのNDD方式についてそれぞれ解説します。
ECN方式
ECN方式とは「電子取引所」に集まっているトレーダーや金融機関などからの注文を、システムによって自動的にマッチングさせて、売買を成立させる仕組みです。
売買の成立はシステムによるものなので人為的なものはなく、取引の透明性が高いのが特徴です。
ECN方式の場合はスプレッドに加えて、取引手数料がかかります。
しかし、そのぶんSTP方式に比べてスプレッドは狭く設定されており、トータルコストを考えるとSTP方式に比べてECN方式の方が低く抑えられる傾向にあります。
1回ごとに手数料がかかるSTP方式と違い、細かな取引を行うスキャルピングをおもに行っているトレーダーにとってメリットの多い取引方法です。
スキャルピングを行う人のほか、大きいロットで取引を行う中・上級者向けの取引方法と言えるでしょう。
取引手数料は海外FX業者によって異なりますが、1ロットあたり平均5ドル(0.5pips)ほど発生します。
注意点としては、取引手数料が「5ドル/1lot」と表記されている場合は、片道だけの金額を指すケースが多いことです。
FXは「売って買う」もしくは「買って売る」という、いわゆる往復の流れによって売買での利益を出す取引のため、取引手数料は片道だけでなく往復分かかるのが特徴です。
上記の場合、往復の取引手数料は10ドルということになるため、注意しましょう。
STP方式
「STP方式」とは、FX業者がトレーダーの注文と金融機関の注文をマッチングさせる取引形態を指します。
インターバンク市場における金融機関から提示された価格の中から、もっとも安い価格に「スプレッドを上乗せ」して価格提示します。
STP方式では取引手数料がかかりませんが、ECN方式に比べてスプレッドが広く設定されているのが特徴で、このスプレッドがFX業者の利益になります。
STP方式は「スタンダード口座」などの口座で行われる取引に採用されていることが多く、最低ロットが小さいなどの特徴があります。
少額で取引をしたい人、FX初心者に利用されることが多い取引方法です。
③FX口座のお金の出し入れにかかる「入出金手数料」
海外FX口座にトレード資金を入金する際も、利益を出金する際にも両方手数料がかかることを知っておきましょう。
これらの入出金に係る手数料は、海外FX業者や入出金方法によって異なります。
海外FXで利用できる入出金方法は、業者によって異なりますがおもに以下の方法があります。
【海外FXで利用できるおもな入出金方法】
- クレジットカード
- オンラインウォレット
- 国内銀行送金
- 海外銀行送金
関連記事:海外FXの入出金方法を総まとめ!手数料やメリット・デメリットも解説!
クレジットカード
海外FXの入出金で特に利用されている、クレジットカードでの入出金について見てみましょう。
【入金】 クレジットカードの「ショッピング枠」を使った入金方法です。 24時間いつでも入金ができ、手続きを終えると口座に即時反映されるメリットがあります。 海外FX業者の多くが手数料を無料としており、利便性の高い入金手段と言えるでしょう。 |
【出金】 出金は、振り込んだ金額を上限にショッピング枠への「返金」という形で処理されます。 クレジットカードによる出金は、手数料を無料としている海外FX業者が多いのも特徴です。 |
国内銀行送金
海外FX業者が指定する日本国内の銀行に振り込み・出金する方法です。
普段利用している日本の銀行での振り込みや出金と仕組みは同じのため、手順で困ることもなく安心して利用できます。
海外FX業者側の入金手数料は無料の場合が多いものの、銀行側では手数料が数百円ほど発生することを覚えておきましょう。
また、国内銀行からの「入金」に対応する海外FX業者は比較的多いものの、「出金」に対応している海外FX業者が少ないこともネックです。
海外銀行送金
海外FX業者が指定する海外の銀行口座に対し、中継となる銀行を通じて入金・出金する方法です。
海外への送金は、日本円と現地で使われている現地通貨が異なるため、中継銀行で換金を繰り返して入出金する必要があります。
そのため、手数料も国内銀行を使った振り込みとは違い、数千円ほどかかり、着金にも時間がかかるデメリットの多い方法です。
海外FX業者のほとんどで利用できる入出金方法ですが、手数料などのコストを少しでも抑えたい場合には、別の方法を使うのがおすすめです。
オンラインウォレット
オンラインウォレットは、インターネット上でお金を保管できる自分の財布(ウォレット)を作るイメージです。
代表的なオンラインウォレットサービスに、「bitwallet」や「STICPAY」などがあります。
【入金・出金】 トレーダーはクレジットカードや銀行振り込みといった方法で、まずウォレットに入金をします。 海外FX口座に入金する場合はその資金をそのまま送金すればOKです。 反対に、出金する場合にはFX口座からオンラインウォレット宛てに送金すれば出金できます。 |
多くの海外FX業者は入出金の手数料が無料になっていますが、オンラインウォレットに入出金する際に手数料がかかることを覚えておきましょう。
入金では、クレジットカードの場合は入金額の3~4%ほど、銀行振込でも2%前後の手数料がかかることが多いので注意が必要です。
オンラインウォレットから銀行口座に出金する場合には、送金額の数%か数百円、もしくはその両方が出金手数料としてかかるのでこちらも知っておきましょう。
手数料はかかるものの、海外銀行送金による入出金に比べて安く、利便性も高いと言えるでしょう。
④一定期間、利用がないと「口座維持手数料」がかかることも
海外FX業者によってそのルールは異なりますが、一定期間まったく利用していない口座があると、口座維持手数料がかかる場合があるので注意しておきましょう。
たとえば、日本人トレーダーの利用者も多いXMTrading(エックスエムトレーディング)では、90日以上取引や入出金などのアクションがない場合は「休眠口座」とみなされ、その時点で残っているすべてのボーナスなども消失してしまいます。
あちこちの海外FX業者に口座を開設しているという人は、おもに使っているFX業者以外の口座を定期的にチェックするようにしておくと、手数料がかかるのを防げます。
⑤注文した価格と約定価格に差が生じる「スリッページ」
「スリッページ」とは、トレーダーが注文をしたときの価格と、実際に約定されたときの価格に差が生まれることをいいます。
なぜスリッページが起きるかと言うと、為替レートは常に変動をしているからです。
注文をしたときの価格で必ず約定されるとは限らないため、こうしたことが起こります。
そのため、トレーダーが注文をしたとおりの価格で約定できないと、場合によっては損をしてしまう可能性もあります。
スリッページは常に発生するものではないものの、起こる可能性はあるため、取引コストのひとつと言えるでしょう。
海外FXの手数料・取引コストを抑える方法4つ
海外FXの利用に際し、どのような手数料や取引コストが必要になるかがわかったところで、少しでもこれらのコストを抑えるための方法をご紹介します。
海外FXを利用する前に、次の4つの方法をしっかりと理解しておきましょう。
①取引にかかるトータルコストで選ぶ
海外FX業者を選ぶ際には、「スプレッドの狭さ」や「ボーナスの有無」などに関心が行きがちです。
しかし、今回ご紹介しましたようにFXではスプレッドや取引手数料、入出金手数料などさまざまな取引コストがかかってしまうことがわかりました。
そのため、プラスでもらえるボーナス、マイナスで差し引かれる手数料を合わせた、トータルコストで考えることが重要です。
海外FX選びで重要なのは、得た利益を最大限持ち帰れるかどうかです。
取引全体を見て、トータルコストを考えた業者選びをすると良いでしょう。
②取引ボーナスがあるかチェック
国内外問わず、FX業者はさまざまなボーナスを付与するキャンペーンを行っています。
そして、海外FX業者の中には取引ごとにボーナスがもらえる「取引ボーナス」を提供していることもあります。
こうした業者をメインで利用すれば、スプレッドや取引手数料など取引にかかるコストを抑えることができるでしょう。
海外FX業者を選ぶ際には、取引ボーナスがあるかどうかをチェックしましょう。
関連記事:海外FXの口座開設・入金ボーナスを比較!おすすめ7社を紹介
③スリッページが起きにくいか、約定スピードをチェック
スリッページとは、先ほどもご紹介しましたが注文したときの価格と、実際に約定された価格に差が発生することを指します。
為替レートは常に変動しているため、注文した価格で約定されるとは限りませんが、約定されたタイミングによってはトレーダーが損をしてしまう可能性もあり、注意すべき点です。
FX業者に注文が届いてから、なるべく注文時の価格に近い価格で約定できるかという「約定力」をはじめ、約定までにかかる時間の「約定スピード」は、FX業者によって異なります。
約定力や約定スピードを判断する際には、トレーダーが注文を直接インターバンク市場に流す「NDD方式」の取引方法を採用しているか、信頼性の高いサーバーを使用しているかなどを参考にすると良いでしょう。
④スプレッドが広がりやすい時間帯の取引を避ける
通貨の売値(Bid)と買値(Ask)の差である「スプレッド」ですが、時間帯によって異なっていることを知っておきましょう。
スプレッドが広がっている(大きい)状態で取引をすると、そのぶん取引コストが大きくなってしまうため、スプレッドが狭い時間帯を選んで取引するように注意しましょう。
スプレッドの広がりやすい時間帯は「早朝」です。
取引を行っている人が少ないこと、取引される量が少ないことでスプレッドが広がってしまうため、活発に取引が行われる時間帯を狙うと取引コストがかかりにくくなります。
海外FX業者5社の手数料・取引コストを比較!
ここからは、日本でもよく利用されている海外FX業者の手数料や取引コストを踏まえ、おすすめの業者を5社紹介します。
まずは、海外FX業者でかかる手数料や取引コストについて簡単に比較してみましょう。
【海外FX業者でかかる手数料・取引コスト】
ECN口座の取引手数料(片道) | スプレッド | |
BigBoss | 1lot/4.5ドル | 0.2pips |
XMTrading | 1lot/5ドル | 0.1pips |
iFOREX | ー
※スタンダード口座のみ |
ー
※スタンダード口座のみ |
AXIORY | 1lot/3ドル | 0.3pips |
GEMFOREX | 無料※条件付き | 0.3pips |
※スプレッドはUSD/JPYで比較
1位 BigBoss(ビッグボス)
日本人トレーダーも多い「BigBoss(ビッグボス)」は、3つの口座を利用できます。
もっともポピュラーな「スタンダード口座」のほか、「プロスプレッド口座」などがあります。
スタンダード口座の場合、FOREXとCFDについては取引手数料はかからない仕組みです。
これ以外の場合は、片道1lot0.2%の取引手数料がかかります。
また、プロスプレッド口座の場合は片道1lot4.5ドルの手数料が必要になりますが、キャッシュバックキャンペーンや取引ボーナスなど多彩なキャンペーンが行われているため、実質的にコストが低くなるというメリットもあります。
●BigBossの特徴
- 最大レバレッジ999倍
- 安心して利用できるNDD方式を採用
- ゼロカットシステムを採用
- スキャルピング可能
- 日本語によるサポートあり
- 金融ライセンス取得済み
- ユーザー資金は分別管理で安心
ユーザー資金は業者資金と別に管理されており、安全性の高い業者としても知られています。
2位 iFOREX(アイフォレックス)
iFOREXはレバレッジが400倍に固定されているという特徴をもつ海外FX業者です。
●iFOREXの特徴
- 最大レバレッジ400倍(固定)
- DD方式を採用
- 銘柄取扱数は800種類以上
- 日本語によるサポートあり
iFOREXは日本でも知名度が高い海外FX業者で、日本語サポートも受けられるため安心して利用できます。
ただし、取引にはDD方式を採用しているため、トレーダーが注文を出してすぐに約定するかどうかはわかりません。
それでも、海外FX業者として長く実績を積んできた業者のため信頼性が高く、口コミでも定評があります。
3位 GEMFOREX(ゲムフォレックス)
GEMFOREXはどのペアもスプレッドが狭い傾向にあるため、取引にかかるコストを少しでも減らしたいという方におすすめの海外FX業者です。
●GEMFOREXの特徴
- 最大レバレッジは1000倍
- DD方式を採用
- 追証なしのゼロカットシステムを採用
- 日本語によるサポートあり
注意点としては、3カ月利用しなかった場合には口座維持手数料が発生する点です。
DD方式のためスキャルピングも禁止されているため、おもな手法としてスキャルピングを行う方は別の海外FX業者を利用しましょう。
4位 AXIORY(アキシオリー)
続いては、AXIORYについてご紹介します。
●AXIORYの特徴
- 最大レバレッジ400倍
- 透明性が高いNDD方式を採用
- ゼロカットシステム採用
- 日本語によるサポートあり
- ユーザー資金は安全性を保証された信託保全
海外FX業者の中でも珍しい「信託保全」を採用しているのが特徴です。
信託保全(しんたくほぜん)とは、ユーザーから預かっている資金とFX会社の資産を分けて管理する方法のひとつで、信託銀行と契約を結び、ユーザーの資金を銀行口座で管理しています。
そのため、万が一FX業者が破綻してしまった場合でも、ユーザーの資金は信託銀行の口座から返還されるという仕組みです。
海外のFX業者に資金を預ける不安があるという方は、AXIORYのように資産の保証があるFX業者の利用を検討すると良いでしょう。
5位 XM Trading(エックスエムトレーディング)
海外FX業者の中でも実績が多く、歴史が長いという特徴をもつのがXMTradingです。
●XMTradingの特徴
- レバレッジは最大888倍
- 透明性の高いNDD方式を採用
- ボーナスキャンペーンが活発
- 日本語によるサポートあり
- ゼロカットシステムを採用
スプレッドは他の海外FX業者に比べて高くなっていますが、安定して使いやすいこと、信頼性の高い海外FX業者ということで利用者が多いのが特徴です。
出金スピードも速いと定評があり、「安心して海外FXを始めたい」という方にはおすすめのFX業者となっています。
まとめ
国内FXはもちろんですが、海外FXでもさまざまな取引手数料や取引コストがかかることがわかりました。
業者の利益となる「スプレッド」や、自身が取引をする際に注意しなければならない「スリッページ」など、海外FXで取引をする前にこうした知識を身に着けておくと、コスト削減につながるでしょう。
また、これらの点を踏まえて、海外でFXをするのであれば「BigBoss(ビッグボス)」がおすすめです。
【BigBoss(ビッグボス)のおすすめポイント】
- 最大999倍のハイレバレッジ
- 追証なしのゼロカットシステム採用
- 最短3分で口座開設完了
- 国内銀行の入出金可能で便利
- 日本語対応サポート体制も充実
日本語対応なので、これから初めて海外FXを利用する方にもぴったりです。
減らせるコストは少しでも減らして、FXの利益を最大限にしましょう。