海外FXではポジションを保有しているだけで「スワップポイント」が発生し、利益を狙えることはご存知でしょうか?
スワップポイントとは、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買ったときに生じる金利差のことで、小さい利益ですが毎日もらえるため、コツコツと積み重ねて大きな利益を狙うことも可能です。
ただし、スワップポイント狙いのトレードはリスクも大きいので注意しましょう。
海外FXのスワップポイントで失敗しないためには、金利差が有利な業者やトレードのコツ・注意点について理解しておくことが重要です。
そのため本記事では、
・スワップポイントの基礎知識やトレード方法
・海外FX業者のスワップポイントの比較
・スワップポイントの注意点
について解説します。
これから海外FXで、スワップポイント取引を始めようと思っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしていただければと思います。
スワップポイントとは?
まずはスワップポイントの基本知識と付与されるタイミングについて見ていきましょう。
先述のとおり、海外FXでは為替差益のほかに、スワップポイントでも利益を得ることが可能です。
スワップポイント(スワップ金利)とは、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買ったときに生じる金利差のことで、「金利差調整分」とも呼ばれます。
ここで言う「金利」とは、通貨を発行している国や地域ごとに定められている「政策金利」のことで、各国の中央銀行が定めた利息の計算レート(利率)を指します。
例えばトレーダーが、A国の通貨(金利1.0%)を売ってB国の通貨(金利3.0%)を買った場合、A国とB国の金利差2.0%の利息(スワップポイント)が得られますよね。
反対に、高金利の通貨を売って低金利の通貨を買った場合、その金利差を支払う(損失が発生する)ことになります。
このように、スワップポイントはポジションを決済せず保有し続けるだけで、毎日発生します。一般的なFX取引のように常にチャートを見続ける必要はなく、比較的少ない労力で利益を生み出せる方法と言えるでしょう。
ただし、スワップポイントは利益幅が小さく短期間で大きな利益が発生するわけではないため、スワップポイント狙いのトレードであれば長期で運用した方が良いでしょう。
スワップポイントが付与されるタイミング
毎日もらえるスワップポイントですが、具体的にはどのタイミングで付与されるのでしょうか?
スワップポイントが付与されるのは、ニューヨーク市場が閉まる日本時間の午前7時ごろ(サマータイム適用期間は午前6時ごろ)です。
トレーダーが保有しているポジションを決済せずに、翌日に持ち越すことを「ロールオーバー」と言い、スワップポイントはロールオーバーの際に、未決済のポジションに対して付与される仕組みとなっています。
ニューヨーク時間は日本時間の6時前後になるため、この時間帯をまたぐかどうかによって1日目のスワップ金利が決まります。
例えば、午後9時にポジションを持って翌朝の5時にポジションを決済した場合、ニューヨーククローズをまたいでいないため、スワップポイントは発生しません。
このように、付与される時間帯にポジションを保持していないとスワップポイントがもらえない点は注意が必要です。
また、「市場が閉まっている土日分はもらえないの?」と思う方もいるかもしれませんが、ほとんどのFX業者ではニューヨーク時間の毎週水曜日(日本時間木曜日の朝)に、週末分のスワップポイントと合わせて3日分もらえるのでご安心ください。
このように、週末分のスワップポイントの判定は水曜日に行われるため、週末を超えてポジションを持っていた場合でも水曜日のニューヨーククローズ時点でポジションを持っていなければ、週末分のスワップポイントは付与されないので注意しましょう。
▼スワップポイント付与のタイミングに関するポイント
・NYクローズ時間をまたいでポジションを持っていると、スワップポイントがもらえる
・週末分のスワップポイント判定は翌週に行われ、3日分まとめて付与される
スワップポイントはFX業者によって異なる
スワップポイントはどの海外FX業者でも同じではなく、同通貨ペアであっても業者によってスワップポイントは異なります。
その理由は、FX業者は通貨間の金利差の一部を収入としており、各FX業者が収益構造や方針によって独自にスワップポイントを設定しているからです。
このため、海外FXで付与されるスワップポイントは、政策金利の差よりも少ない傾向があります。スワップポイント狙いの取引をする際は、スプレッドが多少広くてもスワップポイントが高い海外FX会社を選ぶのも一つの手です。
海外FXでスワップポイントを確認する方法
気になる海外FXのスワップポイントですが、確認方法は2つあります。
1つは、各海外FX業者の公式サイトに掲載されているスワップポイントの情報を見る方法で、2つ目はMT4やMT5といった取引ツール内で確認する方法です。
まずは公式サイトで確認し、掲載されていない場合は次の「MT4 / MT5で最新のスワップポイントを確認する方法」を参考にしてください。
MT4 / MT5で最新のスワップポイントを確認する方法
取引プラットフォームのMetaTrader4(MT4)またはMT5を使って、最新のスワップ数値を確認するやり方です。
①MT4またはMT5を起動します
②「気配値ウィンドウ」で、確認したい通貨ペア上で右クリック→「仕様」をクリックします
③選択した通貨ペアの詳細が表示され、「少数桁」「契約サイズ」「買スワップ」「売スワップ」のポイントが確認できます
この方法で「買スワップ」と「売スワップ」のポイント数値が確認できますが、金額として知りたい場合は「少数桁」「契約サイズ」を用いて計算します。
また、算出したスワップポイントは決済通貨の単位(EUR/USDであればUSD)なので、日本円で知りたい場合はその通貨と円のレートを使って円換算しましょう。
例)EUR/USDの買いを1ロット保有している場合のスワップ金額の計算方法
買スワップ=1.65の場合、
スワップ金額= 100,000(契約サイズ) × 1(ロット数) × 0.001(少数桁) × 1.65(スワップ数値)
= 165(USD)
日本円に換算すると(1ドル100円の場合)、
165 × 100 = 16,500円となる
▼MT4のダウンロード方法や使い方を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください
海外FX業者のスワップポイントを比較
では実際に、各海外FX業者のスワップポイントを比較してみましょう。
以下の表を見ていただくと分かるように、同じ通貨ペアであっても、FX業者によってスワップポイントに大きな差があります。
▼海外FX業者のスワップポイント水準
BigBoss | XM Trading | GemForex | ||||
通貨ペア | 買 | 売 | 買 | 売 | 買 | 売 |
USD/JPY | 0.3円 | -13.6円 | -1.8円 | -4.1円 | 0.2円 | 0.3円 |
EUR/USD | -1,232円 | 88円 | -596円 | -112円 | -392円 | 89円 |
EUR/GBP | -969円 | 82円 | -574円 | -136円 | -522円 | -30円 |
USD/TRY | -5,446円 | 3,401円 | -8,318円 | 2,231円 | -8,208円 | 1,466円 |
USD/ZAR | -209円 | 46円 | -162円 | 56円 | -67円 | 9円 |
※データは2021年9月時点のものです。
※スワップポイントは日本円に換算済みです。
全体的に見ると、USD/JPYなどのメジャー通貨(取引量の多い通貨)に比べ、USD/TRYなどのマイナー通貨やエキゾチック通貨(取引量が少ない通貨)の方が、スワップポイントが高く設定されています。
なかでも特に、BigBossのUSD/TRYの売りのスワップポイントが高いことが分かります。ただし、USD/JPYの買いのスワップポイントがマイナスといったように、通貨ペアによってはマイナスになる場合もあるため注意が必要です。
また、スワップポイントの数値は固定されておらず、随時業者によって変更が行われるので、定期的にスワップポイントを確認するようにしましょう。
海外FXのスワップトレードで最適な通貨ペアは?
各FX業者のスワップポイントが分かったところで、次にスワップトレードに最適な通貨ペアについて検証していきます。
スワップトレードをする上で最適なのは、「マイナー通貨」や「エキゾチック通貨」と呼ばれる高金利通貨と、低金利な「メジャー通貨」を組み合わせた通貨ペアです。
この組み合わせが最も通貨ペア同士の金利差が大きくなり、スワップポイントも高くなります。
代表的な高金利通貨は、トルコリラ(TRY)やメキシコペソ(MXN)、南アフリカランド(ZAR)など。メジャー通貨は、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、円(JPY)、ポンド(GBP)などです。
▼高金利通貨低金利通貨の組み合わせの例
USD/TRY
USD/ZAR
USD/MXN
EUR/TRY
海外FXの場合、海外トレーダーを主に対象にしているため、基軸通貨である米ドルを中心にユーロ、ポンドなどで通貨ペアを設定している業者が多くなっています。
一方、国内FXでは高金利通貨を低金利の円と組み合わせ、トルコリラ円、メキシコペソ円、南アフリカランド円などの通貨ペアを提供しています。
海外FXでスワップトレードする際は、上の例の通貨ペアを参照にしてください。
スワップポイントのベースとなる各国の政策金利を比較
スワップポイントのベースとなるのが、通貨を発行している国や地域で定められている「政策金利」です。
各国の中央銀行によって定められ、この政策金利を参考に一般の銀行の金利が決まる仕組みになっています。下の表は、通貨を発行している各国の政策金利の一覧です。
▼各国の政策金利
取扱通貨国 | 政策金利 | 改正日 |
日本 | -0.10% | 2016年9月 |
米国 | 0.00%~0.25% | 2020年3月 |
ユーロ | 0.00% | 2019年9月 |
英国 | 0.10% | 2020年3月 |
オーストラリア | 0.10% | 2020年11月 |
ニュージーランド | 0.25% | 2020年3月 |
南アフリカ | 3.50% | 2020年7月 |
香港 | 0.86% | 2020年3月 |
トルコ | 19.00% | 2021年3月 |
メキシコ | 4.50% | 2021年8月 |
この表を見ると、通貨によって政策金利に大きな差があることが分かります。米国の政策金利は2020年3月時点で0.25 %と低く設定されている一方で、高金利通貨の取り扱い国として有名なトルコは19.0 %、メキシコは4.50 %となっています。
政策金利は国ごとに年数回改定が行われることもあるためスワップポイントを狙ったトレードをおこなう際は、各国の金利発表予定日にも注目しておくと良いでしょう。
海外FXにおけるスワップポイントの注意点3つ
ここまでの内容で、海外FXのスワップポイントの確認方法や最適な通貨ペアについてご理解いただけたでしょうか?
スワップポイントには保有しているだけで利益を受け取れるというメリットがある一方で、いくつか注意しなければないことがあります。
ここでは、スワップトレードする際の3つの注意点について解説します。
①スワップポイントは変動する
一つ目の注意点は、スワップポイントは固定ではなく変動するということです。各国の政策金利が変動すれば、スワップポイントも変動します。
また、政策金利が変わらない場合でも、海外FX業者がスワップポイントの設定を変更すればスワップポイントが変動することもあります。(スワップポイントはFX業者によって異なるため)
国内FXではスワップ固定のオプションを設けている場合がありますが、海外FXでは業者ごとにスワップポイントに大きな違いがあり、特定の銘柄がプラススワップでも、別の業者ではマイナススワップといったことも起こり得ます。
スワップポイントに大きな変動がないか、定期的に確認することが大切です。
②スワップポイントを上回る為替損失が発生する恐れもある
2つ目の注意点は、スワップポイントを上回る為替損失が発生する恐れがあるということです。
スワップポイント狙いのトレードでは、高金利の通貨を選ぶことがポイントの一つですが、高金利通貨はリスクも大きいため注意が必要です。
一般的に金利が高い国は新興国であり、政情や経済が不安定な国が多く、通貨の価格も不安定になりがちです。そのため、相場が急変してスワップポイントを上回る為替損失が発生する可能性もゼロではありません。
高金利通貨は予期せぬ急騰・急落などのリスクがあることを理解し、スワップポイントの高さだけで安易に通貨ペアを選ばないことが重要です。
暴落リスクを回避するために相場をこまめにチェックし、トレンド(相場の流れ)が転換したと感じたらすぐに決済するなどの対策を取りましょう。
③スワップポイントのみの出金はできない
3つ目の注意点は、スワップポイントのみの出金はできないという点です。
スワップポイントはポジションを保持しているだけで付与されますが、獲得したスワップポイントを残高として反映させるには、保有しているポジションを決済しなければいけません。
決済したタイミングで初めて、スワップポイントを利益または損失として残高に反映できるため、スワップポイントのみを出金することはできないことになります。
まとめ
ここまで、海外FX業者のスワップポイントのトレードのコツや注意点について解説してきました。
内容をまとめると、
・スワップトレードする際は、高金利通貨と低金利通貨を組み合わせるのがコツ
・スワップポイントは変動するため、予期せぬ急騰・急落などのリスクがある
ということが、分かっていただけたのではないでしょうか。
スワップポイントは保有しているだけで利益を受け取れるというメリットがある一方で、高金利通貨を取り扱う際のリスクもあるため、相場や金利をこまめにチェックするようにしましょう。
海外FXでスワップポイントを狙うのであれば、USD/TRYの売りのスワップポイントなどが高い「BigBoss(ビッグボス)」がおすすめです。こちらは海外FXの中でも特に、多種多様な通貨ペアがあり、高スワップ通貨が豊富な業者です。
▼BigBossの特徴
・日本人トレーダーに人気の、豪ドル / NZドル / トルコリラなどの高スワップ通貨が豊富
・米ドル/中国元、米ドル/シンガポールドルといった他社にはない通貨ペアもある
・日経平均やNYダウ平均など主要株式指数も取引可能で、リスク分散におすすめ
・昨今注目を集めている仮想通貨も投資できる
また、日本語対応サポートもある上に、最短3分で口座開設が完了できます。
これから海外FXを始めようと考えている方や、スワップポイントで不労所得を狙いたい方は、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。